専任技術者の実務経験とは

建設業許可を取得しようとするとき、許可を受けようとする業種について資格又は実務経験を有する専任技術者がいることが必須となります。

では、建設業の専任技術者に必要な実務経験とは、どのような経験でしょうか?それは、常勤で具体的に建設工事に携わった経験です。一般建設業の場合、必要な期間は次のように定められています。

・大卒(指定学科)+実務経験3年以上
・高卒(指定学科)+実務経験5年以上
・実務経験のみ10年以上
・その他(技能検定2級合格者+実務経験3年以上等)

※指定学科とは、それぞれの建設業の許可業種に密接に関連するものとして、業種ごとに指定された学科です。

※実務経験の期間は、複数の業種に重複して計上することができません。10年の実務経験で2つの業種の専任技術者になるには20年分の実務経験が必要です。ただし、緩和措置により期間を短縮できるケースもあります。

実務経験で申請する際に注意が必要な業種

電気工事業の実務経験

電気工事業の専任技術者になるためには実務経験だけでなく電気工事士の資格が必要です。

電気工事法により、一定の資格のある人でなければ、電気工事を行ってはならないとされているためです。さらに、電気工事業を営むには電気工事業者の登録か建設業許可が必要となります。

これにより、電気工事業の建設業許可申請の際、電気工事業の登録業者又は許可業者において電気工事士の資格を保有して工事に従事した経験以外は、専任技術者の実務経験として認めない、という都道府県もあるようです。

自治体によっては過去の経験に配慮した措置があったりと運用が異なりますので、予め申請先へ相談することをお勧めします。

消防施設工事業の実務経験

消防施設工事の専任技術者になるためには実務経験だけでなく消防設備士の資格が必要です。

これも電気工事業の場合と同様、消防法により消防設備士でなければ、消防施設工事を行ってはならないとされているためです。

これにより、消防設備士の資格を持って工事に従事した経験でなければ、消防施設工事業の専任技術者の実務経験として認められないことになります。

しかし、個々の条件や自治体により認めるか、認めないか、についての運用は異なりますので、実務経験について不安があるときは予め相談してください。

解体工事業の実務経験

解体工事業の建設業許可を申請する際には、解体工事登録を受けた業者で工事に従事した経験、又は、一式工事で総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事に従事した経験、が専任技術者の実務経験として認められる期間となります。

※平成28年5月31日まで「とび・土工工事」の許可を受けて施工した解体工事は「とび・土工工事」と重複して実務経験として計上することが可能です。

実務経験の要件の緩和

専任技術者の要件のうち実務経験は10年が基本ですが、複数業種の実務経験があるときは、一部の業種で必要な期間を短縮することができます。

申請する業種(実務経験8年以上)+他の業種(実務経験4年以上)
→申請する業種の専任技術者の実務経験要件を満たします。

【要件緩和が可能な業種の組み合わせ】

申請する業種(8年以上) 他の業種(4年以上)
「大工」 「建築一式」
「大工」 「内装仕上」
「とび・土工」 「土木一式」
「とび・土工」 「解体」
「屋根」 「建築一式」
「しゅんせつ」 「土木一式」
「ガラス」 「建築一式」
「防水」 「建築一式」
「内装仕上」 「建築一式」
「内装仕上」 「大工」
「熱絶縁」 「建築一式」
「水道施設」 「土木一式」
「解体」 「建築一式」
「解体」 「土木一式」
「解体」 「とび・土工」

専任技術者と実務経験まとめ

専任技術者の実務経験について書いてまいりました。過去10年の実務経験を証明するには、かなりの量の資料が必要となり大変です。

それでも、経験を裏付ける資料があれば、建設業許可を取得できますし、実際に取得された方もいらっしゃいます。お仕事で「本当に実務経験で取得できる人はいるのでしょうか?」と聞かれることもよくありますが、いるのです。

ただし、そのような方は長い期間建設会社勤めであったり、先代も建設業の棟梁で奥様がしっかり管理されていた方が多いかと思います。

もし、10年の実務経験にあと少し足らないという場合も、緩和措置により要件を満たすことができればなによりですね。

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